すが雑談

菅波栄純。1979年10月16日生まれ。福島県出身。 結成20年を経て活動中のバンドTHE BACK HORN所属。 ギタリスト/作詞作曲者。お仕事のご依頼はこちら eijun@ve.jvcmusic.co.jp 人生は結局喜劇だと思う。

ユニコーンこそラブコメソングの教科書だ

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amazonより

菅波はラブコメが好き。そして音楽が好きだ。なので最近、楽曲提供などでは「ラブソング」ならぬ「ラブコメソング」を意識していたりする。ラブソングというとひとによっては入りづらいこともあり、そこにちょっとしたコメディというかとっつきやすい「くすぐり」や「ユーモア」が入るといろんな人が楽しみやすい。ラブとコメの分量がキモになっていくわけだけれど。まあ、そもそもラブコメ漫画自体がそういう作戦(恋愛に興味がない男子/女子にもとっつきやすくする)になっているジャンルではある。
そんなラブコメソング(まだ確立してはいないが)を自分が思いついたのは、実はユニコーンというバンドに影響を受けていたからなのかも、ということを今回は語ろうと思う。

 

ユニコーンはラブコメソングの宝庫


超クラシックなラブコメソングとしては単身赴任の男の悶々とした気持ちを爆発させる『大迷惑』や出世と女性との狭間で揺れる『ヒゲとボイン』などだろうか。ユニコーンがここまで高クオリティーのラブコメソングを生み出せたのにはいくつかの要素が関係してると思う。

 

youtu.be

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根はシャイだがふざけたがりなバンドなため、直球のスイートなラブソングは「やろう!」とはならず(本当の初期だけストレートにイケメンな歌詞もある)、とはいえファンに女性も多いのでなんかしらラブがほしいという需要にも応えた結果、恋愛のシチュエーションでありながらもコメディタッチな楽曲になっていったのではないではないか(あと、今よりロックで愛を歌うことが主流だったということもある)。

 

そして全員歌って全員楽曲が作れて編曲も自由自在。そのおかげで曲調もかぶらずにそれぞれの楽曲がそれぞれに別のラブコメ漫画を読んでるかのごとき濃さになっているというのがすごい。ラブコメ的な曲以外のものも、近年にリリースされてるアルバムに至るまで徹底的に曲が面白いのもすごい。あと人間性が全員面白すぎるのでドキュメンタリーも観た方が良い。

 

自分が初めてユニコーンにハマったのは、 THE VERY BEST OF UNICORNというアルバム。『おかしな2人』、『大迷惑』という今思えばラブコメソング確変2連チャンを聴いた瞬間。そのときまだ中学生だったのだが、ユニコーンみたいな歌詞が書きたい!と思い、世には出ていないが「風俗」という迷作を一気に書き上げた。かなりユニコーンの影響が強く、仕事がうまくいかない男が風俗店でめくるめく快感を得るという。。。当時チェリーボーイだったのでもちろん妄想だったのだが。

ユニコーンのラブコメソングの中でも「仕事がうまくいってない男」が出てくると鉄板で名曲になる。ずばり『働く男』とか。とはいえそればっかりというわけではないが。おれのラブコメソングとしてのおすすめは「男シリーズ」ではない。1曲あげるとしたら、これだ。

 

『車も電話もないけれど』
アルバム『ヒゲとボイン』収録。この曲のラブコメ感はぜひ聴いていただきたい。ここでは多く語らないが、「その時代背景を歌詞にするか!?」という設定の意外性もありつつ、しっかりときゅんきゅん感のある歌詞の世界観は逆にほかのユニコーンの曲とも違う感じ。シンプルなのにドラマチックさもあるバンドアレンジも含めてめちゃくちゃおすすめ!

 

 

そんなわけで今回はユニコーンをラブコメソングの師匠として語ってみました。引き続き影響を受けた音楽を語っていこうと思うのでこのシリーズをお楽しみに!