中学生のころ描いていた勇者クエストという漫画
小学~中学時代にかけて菅波の趣味は漫画を描くことだった。うちのばあちゃんが絵を描くのが趣味で(魚などを描いていた)、筆やペンがばあちゃん家にたくさんあったので、そのなかでミリペンというのだろうか、先端の細いタイプを気に入って自由帳やテスト用紙の裏や算数のノートに描いていた。
当時ドラゴンクエストが流行っていたのでモンスターを倒していく冒険ものを描くのは自然な流れであった。タイトルは「勇者クエスト」。クエストは探求することだから勇者を探す旅になってしまうがその辺は若気の至りとして流していただきたい。自分の世代でもロールプレイングゲームはめちゃくちゃ流行っていて人気タイトルもいろいろあった。しかも時はノストラダムスの大予言が迫る世紀末、子供のなかでは信憑性がある予言とされていたので「巨大な敵を倒して自分が世界を救う」的な感じっていうのはめちゃくちゃしっくりくる世界観であった。
勇者クエストで特筆する点は、小学生の菅波から中学生の菅波にバトンが渡ったときに作品の方向性がえげつなくテコ入れされるところだ。商業誌の漫画やヒーロー系実写ものでもあるが、大人の事情が入ってきて作風が全く変わっちゃう、あれ。
初期の勇者クエストは、ほぼそのままドラゴンクエストをなぞった世界観だ。というかそのまんまスライムっぽい敵が出てくるし主人公もドラクエの主人公みたいに中世風の鎧と剣と魔法で戦っていく。
しかし中学生の菅波はそのファンタジックな世界では盛り上がれなかった。なぜならわが中学校は数は少ないながらもヤンキーたちが暴れ回るリアルでハードな戦場であり、その日常のストレスは初期勇者クエストの牧歌的なファンタジー世界を描いても発散されなかったために、中学版「勇者クエスト」では勇者は説明無く突如中学校に入学し、女性へと極めてナチュラルに(脈絡なく)性転換し、剣を銃にもちかえて教室に突如現れるキモいモンスターを狩りまくる話に変わっていった。
ストレス発散という目的もあってか、当時が一番画力と気合いがあった気がする。でかい化け物の下に滑り込んで主人公の女子が二丁拳銃で化け物の腹を撃ちまくるシーンなど、当時の画力を超えた名シーンである。
しかし徐々に菅波は作曲に興味がスライドしていき、残念ながら勇者クエストは未完で終わってしまうのであるが。いつか大人版「勇者クエスト」を描いてみたい。異世界系ラブコメみたいになったりするかもしれない。